こんにちは絵描きの安田雄輝です!└[∵┌]
突然ですがみなさん普段絵を描く時に『キャンバス』って使ったことはありますか??
そう、絵描きさんがベレー帽をかぶり、筆とパレットを手に向き合うアレです(※個人的なイメージ)
ちゃんと説明すると『木枠や板に布を張った支持体』のことを指します!
ただ、キャンバスを使うというと本格的な感じがしてちょっと敷居が高いと感じている方も多いのではないでしょうか?(僕がそうでした)
実際には画材屋さんで手軽に購入することができますし、なによりキャンバスに描いた作品というのは一枚の『絵画』として物質的な価値が生まれます。
同じ内容の絵だったとしても、ペラペラの紙に描かれた絵よりキャンバスに描かれた絵の方が
ってなりますよね!
そして、イーゼルにキャンバスを立てて絵を描いている時って
『今自分、画家してる・・!☆彡』
っという気分を味わえて最高なんですよ・・!!
紙に描く時とはまた違った描き心地も味わえるので、まだキャンバスに描いたことが無いという人には是非一度トライしてみてほしいです♬
そこで今回の記事では『キャンバスを使用するにあたって知っておいたほうが良いポイント』ついて解説させて頂きました!
種類や選ぶ際の注意点などなど、細かく解説しておりますのでどうか最後までお付き合いください♬
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】形状について
まず形状についてですが、キャンバスには2種類の形状があります。
『張りキャンバス』と『キャンバスボード』の2種類ですね。
それぞれ詳しく解説致します!
張りキャンバス
木の枠に布を張っているタイプのキャンバスです。
木枠以外の部分は支えが無いので、描く時に布の弾力を感じることができます。
キャンバスボード
布を木の板やMDF(木質繊維を原料とする成型板の一種)に張ったものです。
張りキャンバスとの違いは木枠ではなく、木の板であるという点ですね。
張りキャンバスと違い布の裏全体に支えがあるので、布の弾力は感じられず筆を乗せた時の固い感触をダイレクトに感じます。
どちらが良い悪いということではないので、どちらも試してみて感触の違いを体験してみると良いと思います♪
キャンバスボードのメリットは張りキャンバスに比べて、薄くて軽いという点です。
張りキャンバスに比べて厚さは半分以下なので、持ち運びや収納がしやすいというのも大きなメリットですね♬
キャンバスは紙に比べるとやはりスペース取りますからね・・(;^_^A)
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】布の張り方について
続いて布の貼り方についてですが、一般的なキャンバスは側面を釘で打ち付けて布を固定しています↓
これとは別に『包み張りキャンバス』というものもあって、包み張りキャンバスは裏側で布地を留めているので、釘は見えません↓
側面まで絵を描きたいという人にはおすすめのキャンバスです!
個人的には釘も含めてキャンバスって感じがするので通常のキャンバスのほうが好きだったりしますけどね(#^^#)
(釘が打ってあるから側面に色塗っちゃいけないなんて決まりも特にありません)
どちらが良いいかは自分の好みで決めちゃって良いと思います♪
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】下地による特性
これはかなり重要なポイントです!
下地による違いを理解せずにキャンバスを購入してしまうと、絵が思ったように描けないだけでなく、絵の具がうまく定着せずに作品が台無しになってしまう可能性もあります!!
下地による違い、しっかり頭に入れておきましょう!
下地には下記三つの種類があります。
アクリル絵の具使用可。
吸収率が一番高くマットな仕上がりになります。
アクリルガッシュの使用や厚塗りは亀裂を生む可能性が高いので、水性下地のキャンバスの場合は避けた方が良いでしょう。
アクリル絵の具使用可。
水性と油性の中間のような下地です。
最も多く流通しており、水性下地ほど絵の具の油分を吸収しない為、ツヤのある仕上がりで亀裂が生まれる可能性も低いです。
アクリル絵の具で描く場合は安心して使えるおすすめの下地ですね!
文字通り油性なのでアクリル絵の具は使用できません!
アクリル絵の具を使用すると絵の具がうまく定着せずに色が剥がれる可能性があります。
アクリル絵の具を使用する場合は油性下地ではなく、水性下地かエマルジョンを使うようにしましょう。
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】目の粗さの違い
続いて目の粗さについてです。
筆の動かしやすさや、作品の質感に大きく影響しますので、目の粗さもキャンバスを選ぶ上でとても大切な要素と言えます。
目の粗さは『細目』『中目』『粗目』の三種類に分類されます。
【①細目】
布の目が密で、滑らかな画面です。
凹凸が少ない為、細かい描写や繊細なタッチで描くことが可能です。
【②中目】
最もスタンダードに使われている中間の目。
絵の具も比較的乗りやすく描きやすく、程良く布の質感を残せます。
『あまりキャンバスを使ったことが無い』『布の質感を残しつつ細かい描写もしたい』という場合は中目のキャンバスがおすすめです!
織り目が大きくて表面の凹凸の差が激しいのが特徴です。
粗い擦れを出すことができたり、布の質感を残した味わいのある作品を作ることができます。
しかし凹凸が激しい分、細かい描写は難しく、筆が負けてスムーズに描きづらかったりもします。
その場合はジェッソやモデリングペーストを塗ってヤスリがけをするなどして、自分が描きやすいよう粗さを調整しましょう(ツルツルにし過ぎると逆に絵の具をのせづらくなることもあるので、どのくらい布の質感を残したいか、どのくらい精密な描写をしたいかを考慮して調整する)
目の粗さは自分がどのように作品を仕上げたいかによって適したものが変わってきます。
大まかには言うと、
・精密な描写がしたい→細目
・布の質感、凹凸を活かしたい→粗目
・精密な描写もしつつ布の質感も活かしたい→中目
といった感じですね!
まずはこれから描く作品の完成形をイメージして、イメージにに合わせて粗さを選んでいきましょう♪
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】サイズについて
続いてサイズについて解説していきます!
サイズに関しては『F2号』『P6号』『M15号』といったような感じで、『記号+号数』で大きさが表されています。
まず号数についてですが、号数はキャンバスの長辺の長さを表しており、号数が同じであれば記号が変わっても長辺の長さは同じです。
記号は長辺と短辺の比率を表しており、M・P・F・Sの4種類があります。
M=Marine(海)、P=Paysage(風景)、F=Figure(人物)を意味しておりそれぞれのモチーフを描くのに適している比率であるということから、各表記の頭文字をとっています。
Sに関してはモチーフは関係無く、Square(正方形)を意味しており、縦横1:1の正方形です。
それぞれの比率は下記の通りです↓
※比率は目安であり、号数ごとに多少前後します。
長辺と短辺が1:1.6の黄金比率(人間が最も美しく感じるとされている比率)です。
キャンバスの中で最も細長い比率です。
長辺と短辺が1:1.4の白銀比率(建築物などに多く取り入れられている比率)です。
白銀比は二分割しても同じ比率になる性質を持っています。
コピー用紙などのA規格・B規格と同様の比率ですね。
Fよりも細長い比率です。
【③F=Figure(人物)】
長辺と短辺が1:1.2の比率です。
【④S=Square(正方形)】
長辺と短辺の関係が1:1の正方形のキャンバスです。
詳しい大きさに関しては下記表をご参照ください↓
もちろん海の絵だからといって必ずMのキャンバス、人の絵だからって必ずFキャンバスに描かなくてはいけないわけではありません。
モチーフだけでなく、『どのような構図か』『どのような場所に飾るのか』などによっても適したサイズは変わりますので、サイズに関しても作品の完成形をイメージしてから選定すると良いでしょう♪
【アクリル絵の具でキャンバスに描く】まとめ
今回の記事のまとめです↓
①張りキャンバス(木枠に布を張ったもの)
②キャンバスボード(木の板に布を張ったもの)
①水性下地(吸収率が高くマットな仕上がりになる)
②エマルジョン(半吸収性。水性と油性の中間のような下地)
③油性(アクリル絵の具の使用は不可)
①細目(布の目がなめらかで密。細かい描写に向いている)
②中目(最もスタンダードな目。ほどよく布の質感を残しつつ絵の具も乗りやすい)
③粗目(表面の凹凸が激しい。擦れたタッチや布の質感を活かした絵を描くことができる)
号数:長辺の長さを表している(号数が同じであれば長辺の長さも同じ)
記号:長辺と短辺の比率を表している(M・P・F・Sの4種類)
今回は、キャンバスの種類やそれぞれの特性について解説していきました。
必ずこれを使わなくてはならない!という決まりは無いものの、自分が描きたい絵に適していないキャンバスを選んでしまうと作品の魅力が半減してしまいます。
画材屋さんでも通販でも簡単に手に入れることができますので、今回解説したポイントを押さえた上で是非キャンバスに絵を描いてみてください♬
初めてキャンバスに描くという方はまた一段と絵を描くことが楽しくなると思いますよ♪(#^^#)
ではでは今回の記事はここまでです☆彡
皆様、本日も良きお絵描きライフを!!!└[∵┌]
安田 雄輝