こんにちは!
絵描きの安田雄輝です。└[∵┌]
本記事では「立体的に見える陰影を付けた描き方」についてお伝えしていきます。
僕が考える立体的に絵を描ける一番のメリットは、
「あんまり難しい絵は描けない・・」
という方でも、「簡単に絵に存在感や味わいを出すことができる」という点だと思います。
例えば下記のようなワンちゃんのイラストであれば絵の初心者の方でも比較的描きやすいと思います。
このイラストに着色をして立体的に描いてみましょう↓
とってもかわいらしくなりましたよね?(^^)
簡単に描いたイラストでも本記事で紹介している方法で着色することによって、絵の魅力をグッと高めることができます。
むしろ元のイラストはちょい下手くらいのほうが、個性と味わいが出ると僕は思います。
僕自身なかなか絵が思ったとおりに描けず、絵を描くことを辛く感じてしまっていた時期がありました。
しかし本記事で紹介している画法を身に着けてからは、元の絵がどんなにバランスが悪かろうが
「むしろそれが味になる!」
「どんな絵だって可愛らしく描ける」
という自信を持てるようになりました。
今では絵を描くことがとっても楽しく生きがいとなっています。
本記事が読んでくれた方にとって楽しく絵を描くきっかけになったらとても嬉しいです♪
一つずつ丁寧に解説していきますので是非最後までお付き合いください。
【関連記事】
『いやいや、そもそも最初の線画のワンちゃんが描けんのよ・・』という方は下記記事を参考にしてみてください♬↓
絵の影のつけ方①「陰(シェード)」と「影(シャドウ)」の違いを理解する
まず絵を立体的に描くにあたって、「陰影」という言葉の意味を正しく理解する必要があります。
「影(カゲ)のことでしょ?」
と思われるかもしれませんが、陰影という言葉に含まれる「陰」と「影」という字にはそれぞれ異なる意味があります。
「陰」と「影」の違い
「陰」…
物体そのものにできるカゲ
英語ではshade(シェード)と呼びます
「影」…
物体の接地面にできるカゲ
英語ではshadow(シャドウ)と呼びます
文章だとわかりづらいかもしれないので図で説明しますね↓
上の図だと理解がしやすいのではないでしょうか。
物体を構成しているパーツ一つ一つに「陰」と「影」をつけていくということが立体的にイラストを描く上での基本となります。
陰影を描き加えていくことによってだんだんと絵が立体的に浮かび上がってくるんですね。
(個人的に絵を描く作業の中で一番楽しいと感じる作業です♪)
絵の影のつけ方②「陰(シェード)」を描く
それではまず「陰(シェード)」の描き方について説明を致します。
描き方
光が当たる箇所(光源がある方)から光が届かない箇所(光源の反対側)に向かって段々と色を暗くしていきます。
図で説明するとこのようになります↓
暗くする範囲
暗くする範囲は、「陰(シェード)」を描く物体がどのような形状なのかによって変わります。
平べったいもの・・「陰(シェード)」を端の方に狭く描く
かたまり感のあるもの(球体・立方体など)・・「陰(シェード)」を広めに大きく描く。
今塗っている箇所がどのような形状なのかを想像しながら「陰」を塗る範囲を調整していきましょう。
実際に球体を描いてみよう!
実際に球体を描いてみましょう。
①下塗りをする
ベースとなる色を塗る前に下塗りをします。
橙色で丸を描きましょう。
≪Point≫
下塗りをすることによって、上から色を重ねた時に重厚感を出すことができます。
また、自然とできるムラや擦れなどによって、物体表面の細かい凹凸を表現することができます。
何色(なにいろ)で塗るかは特に決まりはないのですが、下塗りの色によって上に重ねるベースカラーの色味が変わってきます。
(透明度の高い絵の具で塗り重ねる場合、特に大きく影響します)
暗い色で下塗りすると上に重ねる色も暗めに、明るい色で下塗りすると上に重ねる色も明るめになります。
描いていくうちに好みの組み合わせが見つかると思いますので、色々な組み合わせを試して、自分好みの組み合わせを見つけてみてください♪
②ベースとなる色を塗る
①で下塗りした橙色の円の上にベースとなる色を塗り重ねます。
今回は黄色を重ねていきましょう。
③一段階暗い色を塗る
今回は光源が右上にあると仮定して、球体の左下に一段階暗い色を塗ります。
一段階暗い色はベースカラーの黄色に橙色を混ぜて作ります。
球体なので、広めに大きく塗ります。
≪Point≫
色を暗くする際に黒を混ぜるのが手っ取り早いのですが、黒で暗くすると色味が無くなって地味な色になってしまいます
黒を混ぜるのは避け、ベースカラーより色味が濃い色を混ぜてトーンを落としていくようにしましょう。
(黄色に対して橙色、ピンクに対して紫、水色に対して青などなど)
どの色を混ぜるのが正解というわけではないのですが、特別な意図がない限り黒の混色は避けたほうが無難です。
ベースカラーにプラスアルファで混色をすれば極端におかしな色になることはありませんので、これも色々試してみて自分好みの混色を見つけていきましょう♪
④もう一段階暗い色を塗る
③で作った色に更に橙色を足し、もう一段階暗い色を塗ります。
≪Point≫
③~④のように段々と色を暗くしていくのですが、この時明度差が極端になりすぎないことが重要です。
明度差が大きすぎると、不自然で目が陰(シェード)と認識せず模様のように見えてしまいます。
もし上図のように塗った色が暗すぎる、もしくは暗さが足りないと感じた場合は、混色をし直して色の明るさを調整しましょう。
⑤「一番明るい箇所」と「一番暗い箇所」を塗る
ここまででも十分立体感は出せているのですが、ここで更に「一番明るい箇所」と一「番暗い箇所」を描き足すことによって、より立体感を出すことができます。
ベースカラーの黄色に白を足して「一番明るい箇所」を、④で作った色に茶色を足して「一番暗い箇所」を着色していきましょう。
≪Point≫
一番明るい箇所と一番暗い箇所に関しては、あまりがっつりと色を乗せず、アクセントとして軽めに色を乗せるのがコツ。
不自然にならず自然な質感が出せます。
絵の影のつけ方③「影(シャドウ)」を描く
続いて「影(シャドウ)」を描いていきます。
描き方
「影(シャドウ)」も光源とは反対側の接地面に描きます。
物体に光が遮られることによって「影(シャドウ)」ができるので、物体に近づくにつれて段々と色を暗くしていきます。
暗くする範囲
「影(シャドウ)」も「陰(シェード)」の時と同様物体の形状によって範囲が変わります。
平べったいもの(板など)・・影(シャドウ)ができる範囲は狭くなる。
かたまり感のあるもの(球体・立方体など)・・影(シャドウ)ができる範囲は広くなる。
実際に「影(シャドウ)」を描いてみよう!
先ほど描いた球体に実際に「影(シャドウ)」を描き加えてみましょう。
①接地面を塗る
今回は接地面を水色で塗ります。
②「影(シャドウ)」をつける
「陰(シェード)」を描いた時に光源を右上と仮定していたので、反対側(左下)の輪郭に沿って接地面の色を一段階暗くした色を塗ります。
水色に青を混色して色を作りましょう。
≪Point≫
「影(シャドウ)」を塗る場合も黒を使うのではなく、接地面の色+黒以外の濃い色を混色した色を使いましょう。
③一段階暗い影をつける
②で塗った色に更に青を足してもう一段階暗い「影(シャドウ)」を塗ります。
以上で球体の完成です!
うまく描けたでしょうか??
以上が『立体的に見える陰影をつけた描き方』です。
絵の影のつけ方④まとめ
立体的に絵を描く為の方法として、
①「陰(シェード)」と「影(シャドウ)」の違いを知る
②「陰(シェード)」を描く
③「影(シャドウ)」を描く
という3つの項目について伝えさせて頂きました。
今回の記事ではわかりやすくする為にシンプルな球体の描き方とあわせて説明しましたが、
複雑な造形物を描く場合も基本的にやることは一緒です。
キャラクターの顔などであれば、目・鼻・口・耳・髪など一つ一つのパーツに同じ要領で「陰(シェード)」と「影(シャドウ)」を描き込んでいけば、どんどん絵が立体的になっていきます。
ここで冒頭で紹介した犬のイラストをもう一度見てみると、実際にそのように描かれていることがわかるかと思います(どの部分が「陰(シェード)」でどの部分が「影(シャドウ)」か是非観察をしてみてください)
ただしいきなり難しいものを描こうとすると大変なので、まずは落書き程度の簡単なイラストに着色をして、練習していくと良いと思います。
実際に描いてみて不明な点などがあればぜひお問合せください!
それでは今日の記事はここまで!
皆様、今日も楽しきお絵描きライフを♬└|▽▽|┐
安田
シャドウとシェード…なるほど!!
めっちゃわかりやすくて、ためになるー!
あと見本の色がずっと美味しそう
ちゃちゃさんコメントありがとー!
あまり普段長文書くこと無いから、まとめるの難しいかった・・
伝わって良かったーー
美味しそう!?
言われてみれば切れ込み入れたらメロンパンみたいになりそう(笑)
今度は美味しそうな食べ物の描き方でも記事にしようかな
橙色の上に黄色か!!目から鱗…
ロボのあの深みがいつも不可思議だったけどそう言う事だったのかー!!!!!
勉強なりました☺️
けろっぴさんコメントありがとう!
けろっぴさんにそんな言ってもらえるとは・・!(//∇//)
自分もけろっぴさんみたいに線画で魅せれる絵も描けるようになりたいと思ってるので、いつも羨望の眼差しでイラスト見てるよ
漫画まじで凄すぎた・・
こちらも勉強させて頂きます!(^ν^)